KANDORA COLUMNS 09

OSTとロケ地から作品を読み解く

ストーリーや演技だけでなく、流れる音楽や撮影された場所に目を向けると、作品の印象がもう一段深くなります。今回は、Kandoraで紹介した作品を例に、OSTとロケ地という切り口を紹介します。

韓国ドラマとOST文化

韓国のドラマでは、主題歌やBGMをまとめた「OSTアルバム」が作品と切り離せない存在として扱われることが多く、人気ドラマのOSTが単体で音楽チャートに登場することも珍しくありません。挿入歌が流れるタイミングは偶然ではなく、そのシーンの感情を後押しするために綿密に計算されていることがほとんどです。

『殺人の追憶』に見る、音と場所の使い方

Kandoraで紹介している『殺人の追憶』は、1980年代に実際に起きた未解決事件を基にした作品で、原作は劇作家キム・グァンリムによる戯曲『私に会いに来て』です。作中では、ある雨の夜の場面で1970年代の歌謡曲のリメイク版が挿入歌として使われており、のどかなはずの旋律が逆に不穏さを際立たせる効果を生んでいます。

撮影に関しても、映画の舞台となった稲田の風景は象徴的に使われていますが、実際の撮影は事件が起きた地域だけでなく複数の場所で行われており、特にラストシーンのトンネルは、事件現場とは異なる地域にある実在のトンネルで撮影されたことで知られています。「事件が起きた場所=撮影された場所」とは限らない、という点は、韓国映画のロケ地探訪でよくある発見の一つです。

楽しみ方のヒント:気に入った作品があれば、「OST」「ロケ地」というキーワードで調べてみると、物語を離れたところで作品との新しい距離の縮め方が見つかることがあります。

ロケ地探訪をするときの心構え

近年はロケ地を実際に訪れるファンも増えていますが、撮影が行われた場所が必ずしも観光地として整備されているとは限りません。個人の住宅や生活道路が使われているケースもあるため、訪れる際は地域の生活を尊重したマナーを心がけたいところです。

読むときのポイント
音楽と場所を手がかりにすると、台詞で説明されない人物の感情や、物語の前後にある時間まで想像しやすくなります。

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